消費者金融トリビア
多重債務者問題について


このほど、自民党の消費者問題調査会で金融庁は「無担保無保証借入の残高がある者の借入件数毎登録状況」(全情連の集計による)から、「5件以上の借入がある者は125.4万人に、残高金額は12兆3千3百51億円にいずれも減少した」との記事があった。
だがこれは、金融庁の公表資料をすべて見た上でその意味を考えてみるべきだろう。
なぜなら、その報告により「多重債務者が減少し法の効果が出た」と単純に評価する雰囲気で流されたからである。
実際にはどかというと、関係者の話によれば次の通りだ。
「全情連加盟業者という『表の世界』で減少しただけであり、水面下に隠れて『見えなくなった』人達が多く含まれると考えられる」。
つまり、全情連加盟会社からの借入は各社が与信を強化した結果減少したが、それ以外の代替先に借入先をシフトしているというわけであり、そのシフト先はヤミ金融である場合も多く含まれるだろう。
だから、単純に喜んでいいのかという問題になるのである。
現状の会員契約では、廃業して貸金業登録業者でなくなった場合には、会員資格を喪失するので全情連からは退会する。
退会と同時に登録していた信用情報も抹消される。過払い金返還請求の影響などにより廃業時に同業他社に債権を譲渡しにくい環境となっていることから、これら廃業会員が回収のみで保有している債権は少なくない。
「多重債務が減って良かった」などというが、全体の市場リスクが上がっていることとの矛盾をどう説明するのかが問題だ。


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