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過払い金返還請求問題・・活性化するヤミ金業者

 
過払い金返還請求の問題は貸金業界において最大の問題となっている。
そもそものはじまりは、出資法で定める、年29.20%を上限とするものと、利息制限法で定める上限利率年20%の異なる2つの法律が存在したことに端を発する。
過去にも同様の訴訟はあったものの、取引履歴の開示義務が貸金業者側には法的根拠として無いという判決・及び、43条「みなし弁済」の有効性が認められていた為、それほど大きな問題にはなっていなかった。
 ところが、平成17年、最高裁判決にて取引履歴を開示することを義務付けた判決と、平成18年1月、みなし弁済の事実上の無効を言い渡す判決により、過払い金返還請求は後を絶たなくなった。
元々過払い金返還請求は、いわゆる多重債務者救済処置の観点から成立したものであるにもかかわらず、これを「商売道具」とした弁護士や司法書士が次々と出てきたのも事実である。
現に電車の中吊り広告やインターネット等において、これらをうたい文句に広告宣伝する法律事務所がやたらと目立つようになった。
 これは貸金業界にとって歴史上最大の危機を招くことになった。
実際に貸金業の登録を見送る業者も急増し、既に廃業へと追い詰められた貸金業者が急増しているのだ。
このほど、新銀行東京の追加融資問題で揺れる中、石原都知事の発言の中で、「今この銀行を潰してしまっては、社員やその家族、取引先等への影響は計り知れないものがある」旨のものがあった。
しかしどうだろう、これは貸金業者でも同じことではないのか。
貸金業者に勤める社員にも養わなければならない家族はいる。住宅ローンもあるだろう。
しかしそんなことは関係ないのだ。それが司法が下した結論なのである。
それで営業が成り立たない会社は、倒産でもなんでも勝手にどうぞ・・ということなのだが、今まで合法とされていたものが突然「違法」とすること自体が問題ではなかったのだろうか。
せめて、過去には遡らず「今後は利息制限法以内にしましょう」とするのが本筋だと思う。
それが認められない現状、過去に支払った「税金」も返還すべきである。法人税もさることながら、消費者金融に勤めていた社員も多くのリストラにあっているのである。
こういった人達にも救済の手を差し伸べるべきではないのか。これから学校に通う子供を抱えた家族、住宅ローンを抱えた家族、そのような人達が突然仕事を失い、路頭にさまよっているのだ。
このような人々に対し、国は過去に徴収した税金を返還する義務があると思うのだがいかがだろうか。
また、過払い金返還請求が与える問題は山ほどある。
まず事務処理の問題もあるだろう。1件の返還請求を受けると貸金業者はその案件に何日もの時間と費用を浪費する。正常な営業ができないのだ。また、貸し渋りの問題もある。今までは利益が見込めた為、ある程度リスキーな顧客に対しても融資を行っていたが、現在では貸し倒れリスクの可能性の高い顧客は融資が受けられないのが現状だ。事実、大手4社の融資制約率の平均が、平成19年1月では44%であったが、平成20年1月には30%まで低下したのである。
前の頁でも触れたが、「借りられない不幸」な人々が続出しているのである。
こういった人たちがいきつくところはヤミ金である。元々多重債務者問題・ヤミ金問題の打開策として打ち立てられたはずの新科資金業法だが、実際にはヤミ金事業を拡大させる方向に向かっているのではないだろうか。